マンション大規模修繕工事には発注方式によるさまざまな違いがあります。当社では、「設計監理方式」と「アドバイザー方式(プロポーザル方式)」の2種類を採用し、選択できます。どちらもコンサルティング会社を採用し、マンション管理組合の要望を反映させやすい方式ですが、コスト面や契約方法、管理などそれぞれの違いを理解して契約をご検討ください。
設計監理方式 / アドバイザー方式(プロポーザル方式)の違い
どちらも施工会社の他にコンサルティング会社と契約を結ぶため、管理組合の皆さまの予算や要望などを考慮した設計内容にすることが可能です。また第三者の専門家が入ることで、工事が適正に行われているかの精査や施工会社の適切な選定が可能になり、管理組合に対し透明性を確保できるので合意形成がうまく図れるようになります。
「設計監理方式」と「アドバイザー方式(プロポーザル方式)」では、請負契約の仕方が違いますし、コスト面や管理面でメリット、デメリットの違いがあります。当社では「プロポーザル方式」を独自に「アドバイザー方式」と呼び、マンション大規模修繕の発注方式を選んでいただく際にコンサルティング会社と施工会社による不適切な関係を防ぐため、積極的に「アドバイザー方式」をお勧めしています。
比較01
コスト面の違い
設計監理方式
第三者的な役割をもつコンサルティング会社と契約を結べば、工事内容や工事費の妥当性・透明性が確保しやすく安心だと思われがちですが、見積りに参加する施工会社数社とコンサルティング会社が談合し、工事費が不当につり上げられるケースがごくまれにあります。工事費に余分なマージンが上乗せされ、必要以上にコストがかかるということが起こりかねません。
アドバイザー方式(プロポーザル方式)
コンサルタントは建物調査診断と、工事基本計画を立案します。その後、管理組合さまと協議を重ね、工事計画書を作成し、複数の施工会社から工事提案書の見積もり取り、適正な工事費用と条件を提示した施工会社を選定します。
施工会社決定後に工事監理契約を結ぶため、コンサルティング会社と施工会社による不適切な関係を防ぐことができ、必要以上なコストを回避できます。
比較02
請負契約の方法の違い
設計監理方式
設計と施工それぞれの業務を委託する会社をわける方式です。企画調査、劣化診断、工法の検討、工事費用の見積もりチェック、施工会社の選定といった設計業務を設計事務所やマンション管理会社、コンサルティング会社などに委託します。設計と施工が分離しているので、必要な工事内容を客観的に判断することができますし、修繕の専門家による監理によって工事費用の適正化、工事の質が確保できるといった面があります。
アドバイザー方式(プロポーザル方式)
施工会社を選定する補助業務委託契と施工会社に指示・監理・検査を行う工事監理契約の2つの委託契約をコンサルタント会社と結びます。補助業務委託契約と工事監理契約を別々のコンサルタント会社と契約する場合もあります。コンサルタントは基本計画まで、作成するので、契約段階でメーカー指定等の癒着の温床を排除できます。
比較03
管理の仕方の違い
設計監理方式
劣化診断や改修設計を担当したコンサルタント会社が施工会社へ指示や監理、検査まで行うので、工事の進捗状況の把握がしやすくなります。委託したコンサルタント会社が管理組合の合意形成を図るようにサポートしてくれるので管理組合さまの負担も軽減できます。
アドバイザー方式(プロポーザル方式)
基本計画書の作成と施工会社を選定するアドバイザーとしてのコンサルティング会社との補助業務委託契約と、施工会社への指示・監理・検査を行う工事監理契約を分けています。管理組合さまはどちらの業務の進捗管理にも積極的に関わる姿勢が必要です。そのため、管理組合さまのご負担が増加してしまいます。